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タンクローリーの運転に必要な免許は?取得するコツや仕事内容も解説

タンクローリー運転手の仕事に興味があるけれど、具体的に「どんな免許や資格が必要なんだろう?」と、思ったことはありませんか?

 

タンクローリーの運転は、高収入やスキルアップの可能性がある一方で、運転の難易度や危険性が高い仕事です。

 

本記事では、タンクローリーの運転に必要な免許や取得方法・免許取得に関するコツについて解説します。

 

平均年収や転職の注意点などもあわせて紹介しています。タンクローリー運転手として踏み出す際の参考にしてください。

タンクローリーの運転に必要な免許や資格5選

タンクローリー 資格

タンクローリーの運転に必要な資格や免許は、以下の5つがあります。

 

以下で、それぞれの免許の特徴と取得方法・取得にかかる費用を解説します。

大型免許

タンクローリー運転手として働くのであれば、大型免許を取得しておくことをおすすめします。

 

タンクローリーは大型車が多い傾向であるため、大型免許があれば仕事の幅が広がるでしょう。

大型免許の取得方法

大型免許の取得方法は、以下の2種類です。

 

  • 教習所に通う
  • 一発試験を受ける

 

教習所に通う場合、学科と実技を受講し、卒業検定を受けます。卒業試験を通過後、運転免許センターで適性検査に合格すれば、大型免許が取得できます。

 

もう一つの方法は、運転免許センターで一発試験を受けることです。一発で合格することは容易ではありませんが、時間や費用を短縮して大型免許を取得できるメリットがあります。

 

免許取得にかかる費用は、普通免許所持者が教習所に通う場合、35〜40万円必要です。一発試験を受ける場合は、35,000〜40,000円かかるでしょう。

けん引免許

トレーラータイプのタンクローリーを運転する際に必要な免許が「けん引免許」です。自走しない750キログラム以上の車両をけん引可能で、給料の相場が高めであることが特徴です。

 

けん引免許を取得するためには、以下のいずれかの免許を保有している必要があります。

 

  • 大型特殊免許
  • 大型免許
  • 中型免許
  • 準中型免許
  • 普通免許

 

さらに、満18歳以上で、視力が両眼0.8以上(1眼で各0.5以上)などの条件があります。

けん引免許の取得方法

けん引免許の取得方法は、以下のとおりです。

 

  • 教習所に通う
  • 一発試験を受ける

 

けん引免許の取得にかかる時間は個人差がありますが、最短で12時間の技能講習後に卒業試験を受験できます。学科の講習はなく、卒業試験に合格できればけん引免許が取得できます。

 

取得費用は、教習所に通う場合で13〜15万円、一発試験の場合は約6,000円です。

危険物取扱者

種類

説明

危険物取扱者乙種

・第1類から第6類の危険物から合格できたものの取扱い作業および、立会いができる

・定期点検・保安の監督

・試験費用は4,600円

・誰でも受験できる

危険物取扱者甲種

・すべての種類の危険物の取扱い作業および、立会いができる

・6カ月以上の実務経験を積めば、危険物保安監督者の資格取得が可能

・試験費用は6,600円

・受験資格がある

危険物取扱者丙種

・引火性液体の指定されたものに限り、取扱い作業が可能

・試験費用は3,700円

・誰でも受験できる

 

タンクローリーの運転に有利な国家資格に、危険物取扱者も挙げられます。危険物取扱者の種類は、以下の3つです。

 

  • 危険物取扱者乙種
  • 危険物取扱者甲種
  • 危険物取扱者丙種

 

それぞれの特徴と取得方法を解説します。

危険物取扱者乙種

危険物取扱者乙種は、第1類から第6類の中で、試験に合格できた危険物のみ取扱いできます。また、危険物の取扱作業とその立会いが可能です。

危険物取扱者乙種の取得方法

危険物取扱者乙種を取得するためには、各都道府県の「消防試験研究センター」に受験の申請をし、試験に合格する必要があります。

 

書面またはインターネット上での電子申込により申請が可能です。乙種の試験費用は、4,600円です。

危険物取扱者甲種

危険物取扱者甲種は、第1類から第6類すべての危険物の取扱いと、定期点検・保安の監督ができます。さらに、危険物取扱者として6カ月以上の実務経験を積めば、危険物保安監督者の資格取得が可能です。

期限物取扱者甲種の取得方法

乙種と同様、消防試験研究センターで実施する試験に合格後、免許が取得できます。ただし、甲種については受験資格が設けられているため「消防試験研究センター」で確認しておきましょう。甲種の試験費用は、6,600円です。

危険物取扱者丙種

危険物取扱者丙種の取り扱える危険物は、ガソリン・灯油・軽油・重油などの引火性液体に限られています。危険物保安監督者になることはできず、保安の監督業務もできません。

危険物取扱者丙種の取得方法

各都道府県にある消防試験研究センターの試験に合格できれば、丙種の資格が取得できます。丙種の試験費用は、3,700円です。

毒物劇物取扱責任者

毒物劇物取扱責任者も、タンクローリーの運転の際に役立つ資格です。化学薬品や農薬などの毒物や劇薬を運搬する際に必要です。

毒物劇物取扱責任者の取得方法

資格取得の条件として、18歳以上であることや薬物中毒者でないことなどがあります。また試験は年1回で、日程は各都道府県により異なります。

 

試験に合格後、都道府県に申請すれば毒物劇物取扱責任者として活動可能です。試験費用は都道府県により異なり、10,000〜13,000円が相場です。

高圧ガス移動監視者

高圧ガスやLPガスなどを運搬する際に必要な高圧ガス移動監視者も、タンクローリー運転手におすすめの資格です。

 

高圧ガス移動監視者は、高圧ガスの輸送を安全に行うために、監視や管理ができる国家資格です。規定量以上のガスを移動する際に必須の資格で、持っていればさまざまな場面で活躍できるでしょう。

高圧ガス移動監視者の取得方法

高圧ガス移動監視者を取得する際は、以下の手順で行いましょう。

 

  1. 高圧ガス移動監視者講習を受講する
  2. 検定試験に合格する

 

講習は2日間あり、講習をすべて受講すれば試験を受けられます。講習の受講料は、それぞれ約15,000~16,000円で、テキスト代は別途必要です。合計20,000円程度準備しておきましょう。

タンクローリー運転手になるための免許を取得するコツ

タンクローリードライバー コツ

タンクローリー運転手になるための免許取得のコツは、以下のとおりです。

 

  • 資格の学校に通う
  • 過去問題で傾向を確認する
  • 先輩や会社にアドバイスをもらう

 

コツを把握することで、時間を有効的に活用できるでしょう。

免許取得のコツ①資格の学校に通う

タンクローリーの運転に必要な資格を取得するために、資格の学校に通えば合格率をアップできるでしょう。

 

けん引免許や大型免許の一発試験は、資格取得を急ぐ方におすすめですが、独学での勉強には限界があります。

 

確実に資格を取りたいのであれば、学校に通って知識を深めることがおすすめです。

免許取得のコツ②過去問題で傾向を確認する

過去の問題を解いて試験の傾向を把握することも、資格取得の勉強には有効です。3回から5回分の過去問を繰り返し解くことで、自分の弱点を把握できるでしょう。また、時間配分や出題形式などもつかみやすくなります。

免許取得のコツ③先輩や会社にアドバイスをもらう

免許取得のコツとして、目指す免許を持っている先輩に助言を求めたり、会社の上司にアドバイスをもらったりする方法もあります。

 

わからない問題の解き方や、押さえておくべきポイントを教えてもらえる可能性があるでしょう。また、実技試験もあるため、実践的なことを聞くと良いでしょう。

タンクローリーは液体や高圧ガスなどを運搬する大型車両

タンクローリー 大型車両

タンクローリーには、さまざまな種類や大きさがあります。以下では、タンクローリーの特徴や基礎知識を解説します。

タンクローリーの特徴

タンクローリーは、液体や高圧ガスなどを運搬するための大型車両で、トラックの荷台に円筒状のタンクが搭載されています。

 

タンクの内部はいくつかの部屋に分かれており、異なる種類の液体や気体を入れることも可能です。

 

内部の部屋を仕切る防波板は、横転を防ぐ役割も担っています。タンク内が分割されているため、一つの配送先に異なる荷物を届けることや複数の配送先に一度に荷物を運べます。

 

タンクの最大積載量は消防法により30トン以下と定められており、危険物を運搬する場合、1室あたりの容量は4,000リットル以下です。

タンクローリーの種類

タンクローリーは、以下の3つに分類されます。

 

  • 危険物タンクローリー
  • 非危険物タンクローリー
  • 高圧ガスタンクローリー

 

自分の仕事目的や希望に応じて、どのタンクローリーが適しているか考えてみてください。

危険物タンクローリー

危険物タンクローリーは、消防法により危険物と定義される石油や劇物を運搬するタンクローリーです。

 

運搬時の安全性を確保するために、タンクの構造には厳しい基準があり、化学変化が起きにくい普通網や高張力銅材などが使用されています。

 

危険物を運搬していることを明示するため、トラックの前後に「危」の表示が必要です。また、運転するためには、大型免許と危険物取扱者の資格が必要です。

非危険物タンクローリー

危険物ではないものを運ぶタンクローリーは、非危険物タンクローリーと呼ばれます。主にセメントや食品・飲料水などの運搬に使用します。

 

非危険物タンクローリーには、腐食や傷に強いステンレス製のタンクが用いられるのが一般的です。

高圧ガスタンクローリー

高圧ガスタンクローリーは、その名のとおり、高圧ガスを運ぶタンクローリーです。高圧ガスとは、可燃性ガスやプロパンガス、液体窒素などが該当します。

 

高圧ガスタンクローリーには、内部の気圧が変化しないように、真円形のタンクが用いられています。運転するためには、大型免許と高圧ガス移動監視者の免許が必要です。

タンクローリーのサイズ

タンクローリーには、以下の3つのサイズがあります。

 

  • 大型タンクローリー
  • 中型タンクローリー
  • 小型タンクローリー

 

タンクローリーのサイズを理解し、自分の運転スキルや経験に適したものを選ぶ際の参考にしてください。

大型タンクローリー

大型タンクローリーは、タンクの容量が12〜20キロリットルで、主に石油の輸送に使用されます。タンクは重心が低く、楕円形であることが特徴です。一室あたりの容量は4,000リットル以下に制限されています。

 

石油輸送の際には、大型免許に加えて丙種危険物取扱者の免許が必要です。

中型タンクローリー

中型タンクローリーは、タンクの容量が3〜8キロリットルで、全長が6〜8メートルのものです。

 

中型タンクローリーのおもな用途は、重油や灯油・軽油の輸送です。また、工場から食料や飼料などを運ぶ際にも用いられます。

 

中型タンクローリーの運転には、中型免許もしくは準中型免許が必要です。

小型タンクローリー

小型タンクローリーは、タンク容量が2〜4キロリットルで、車両の重量は2〜3トンです。大型や中型タンクローリーに比べると操作が比較的容易で、普通免許のみで運転できます。

 

狭い道路にも対応しやすく、住宅街の走行に適しているため、家庭への灯油や軽油などの配送に広く利用されています。

タンクローリー運転手の仕事内容や平均年収

タンクローリー運転手 年収

タンクローリー運転手の仕事内容と平均年収を紹介します。タンクローリー運転手に関する情報を得ることで、自分に合う職業かどうかを判断しやすくなるでしょう。

仕事内容

タンクローリー運転手の主な仕事は、荷物を積み込んで所定の場所まで運び、荷下ろしをすることです。一般のトラックドライバーの仕事内容と、大きな違いはありません。

 

運搬する荷物は、ガソリンや灯油、飲料水などさまざまです。荷物の積み込みや荷下ろしには、ホースを使用するケースが多く、重い荷物を運ぶ機会は比較的少ないことが特徴です。

 

一方で、タンクに積み置きできない荷物を運ぶ場合は、当日中の輸送が必要となり、早朝の出社を求められるケースもあるでしょう。

平均年収

厚生労働省の調査結果によると、タンクローリー運転手の平均年収は、477万円です。タンクローリーの種類に応じた平均年収は、以下のとおりです。

 

車種

平均年収

危険物タンクローリー

450~500万円

非危険物タンクローリー

400万円

高圧ガスタンクローリー

400~450万円

(参考:joptag|厚生労働省

 

以上のことから、タンクローリーの種類により、平均年収に差があることが分かるでしょう。

 

また、国税庁から発表されている「令和4年分民間給与実態統計調査結果」によると、日本の平均年収458万円となっており、比較すると車種により、平均よりも高い収入を得られる可能性があります。

タンクローリーによる横転事故の実例

以下の記事は、2023年6月に起きた、タンクローリーの横転事故です。

 

宮城県美里町の県道でガソリンを運搬していたタンクローリーが横転する事故がありました。近くの用水路にガソリンが漏れ出していますが、引火する危険性は低いということです。

 警察と消防によりますと15日午前8時ごろ、美里町二郷の県道石巻鹿島台色麻線でガソリンを運搬していたタンクローリーが道路脇ののり面に横転しました。

(引用:Yahoo!ニュース

 

このような事故は、運転手の安全運転への深い意識や、車両の点検・保守が非常に重要であることを示しています。

 

また、用水路にもれ出したガソリンは、環境に悪影響を及ぼす可能性があります。幸いにも引火は起こりませんでしたが、万が一火災が発生した場合には、大きな被害を引き起こす恐れもあるでしょう。

 

同様の事故を防ぐためには、事故の原因究明と安全意識の向上・環境保護への取り組みが不可欠と言えます。

タンクローリー運転手に転職する際の注意点

タンクローリー運転手 注意点

タンクローリー運転手に転職する際は、以下の3つの点に注意しましょう。

 

  • 勤務開始が早朝
  • 運転が難しい
  • 運転の規制が厳しい

 

これらの注意点を把握しておけば、自分に合った会社や仕事を見つけやすくなるでしょう。

勤務開始が早朝

前述のとおり、タンクローリー運転手の勤務開始は、早朝であることが一般的です。前日に荷物の積み置きができないため、当日の輸送が必要となるからです。

 

出勤時間が早朝3時や4時であるため、朝が苦手な人にとっては難しいかもしれません。ただし、最初は厳しいと感じたとしても、リズムが整えば身体が慣れてきます。

しかし、どうしても早朝の勤務時間が難しいという方もいるでしょう。その場合は、早朝以外の時間で勤務できるタンクローリー会社を見つけましょう。

運転が難しい

タンクローリーの運転は、大型車両になればなるほど、難易度が増します。特に液体の運搬には高度な技術が必要です。

 

タンク内には部屋を仕切る防波板が設置されているものの、急ブレーキを踏むとタンク内の液体が激しく動きます。

 

これにより、カーブの遠心力で車両が制御できず、バランスを崩す可能性もあるでしょう。

 

以上のことから、タンクローリーの運転の際は、慎重かつ丁寧に運転することが不可欠です。

運転時の規制が厳しい

先にも述べましたが、タンクローリーの運転は簡単ではなく、小さなミスが大事故につながる危険性があります。そのため、速度の規制や点検に関する遵守事項・作業手順などが細かく規定されています。

 

常にプレッシャーを感じながらの作業が多いため、精神的な負担を感じるかもしれません。適度に休息をとり、リフレッシュしながら、集中して運転できる環境を整えることが重要です。

タンクローリーの免許に関するよくある質問と回答

タンクローリーは、危険物取扱丙種の資格所持者や、けん引免許がない方でも運転できるのでしょうか。以下では、タンクローリーの免許に関するよくある質問にお答えします。

危険物取扱者丙種の資格があればタンクローリーは運転できる?

危険物取扱者丙種と普通免許があれば、タンクローリーの運転は可能です。ただし、この場合に運転できるのは小型トラックであり、かつ非危険物タンクローリーもしくは、ガソリン・灯油・軽油・重油を運搬するタンクローリーに限られます。

 

中型や大型トラックを運転する場合は、それぞれの運転免許を取得する必要があります。また、危険物や高圧ガスのタンクローリーの運転には、危険物取扱者乙種・甲種や毒物劇薬取扱責任者、高圧ガス移動監視者の免許を所持していなければなりません。

タンクローリーは、けん引免許なしでも運転可能?

車体と一体型のタンクローリーであれば、けん引免許がなくとも運転可能です。ただ、けん引する車両がトレーラータイプの場合は、けん引免許が必須です。

 

所持している運転免許の種類により、扱えるトラックのサイズが異なります。大型タンクローリーの場合は大型免許が必要であり、中型タイプには中型免許、あるいは準中型免許が必要です。

タンクローリー運転手はやりがいある仕事

タンクローリー運転手 社会貢献

タンクローリー運転手は、ガソリンや軽油・医薬品・飼料などを運搬することが、おもな仕事です。

 

運転の際にはさまざまな規制があり、気を抜くと大事故につながる可能性もあるため、プレッシャーを感じるかもしれません。

 

しかし、人々の生活に必要不可欠な物資を運搬するケースが多く、やりがいを感じやすい仕事といえるでしょう。

 

タンクローリーを扱う企業の中には、入社後の研修制度が充実しているところや、資格取得の補助金が提供されるところもあります。

 

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