タンクローリー未経験者でも運転手になる方法は?必要な資格や最新の転職事情を徹底解説
「タンクローリー運転手は未経験者でも転職できる?」
このような疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。タンクローリー運転手は、特殊な知識や資格が必要なため、未経験で転職できないと考えてしまう方も多いかと思います。
結論を先に述べると、タンクローリー運転手は未経験からでも転職可能です。
本記事では、タンクローリー未経験でも運転手になる方法として、必要な資格や最新の転職市場について解説しています。
これからタンクローリー運転手を目指そうとしている方は、ぜひ参考にしてください。
タンクローリー運転手は未経験者でも転職できる
冒頭で述べたとおり、タンクローリー運転手は未経験からでも転職可能です。まずはその理由について解説していきます。
タンクローリー運転手が未経験でも転職可能とする具体的な理由は、以下です。
- ドライバー人口は減少傾向
- 運転手の高齢化問題
- 教育制度の強化
理由①ドライバー人口は減少傾向
物流業界のドライバー人口は減少傾向で、有効求人倍率も上昇し続けています。
業界全体では売り手市場となるため、未経験であってもタンクローリー運転手として採用される可能性はあるでしょう。
物流業界の人手不足は将来に渡って懸念される問題であり、企業側も対策の必要性を十分認識しています。
スキルが必要なタンクローリー運転手でも、経験不問で積極的に採用する会社が増加している状況です。
理由②運転手の高齢化問題
トラックドライバーの高齢化問題も浮上しています。
厚生労働省と国交省が共同で行った平成27年の調査では、40歳以上で全体の78.2%を占めている状況です。
そのため転職時の年齢が若いほど、採用される確率も上昇します。
タンクローリー運転手も同様の状況と推測されるため、未経験であっても年齢が若ければ採用される期待度は高いと言えるでしょう。
理由③教育制度の強化
トラックドライバー高齢化問題の背景にあるのは、高い運転技術や専門知識の必要性です。そのため、福利厚生の一環として、資格取得のサポートをしている会社も増えています。
研修や資格取得のサポートがしっかりしている企業ならば、未経験でも採用される可能性は十分あると言えるでしょう。
逆に資格を必須とする募集もあるため、未経験からの転職を目指す場合、教育制度の項目は要チェックとなります。
未経験からタンクローリー運転手への転職を有利にする資格
実務未経験で転職活動を進める際に、プラス要因となるのが資格の取得です。タンクローリー運転手を目指す場合、転職を有利にする資格は、以下のようなものになります。
- 大型免許
- 牽引免許
- 危険物取扱者
- 毒物劇物取扱責任者
- 高圧ガス移動監視者
これらの資格は転職成功率の上昇に寄与するのはもちろんのこと、選択できる仕事の幅がさらに広がるというメリットもあります。
タンクローリー運転手として活躍するには必須な資格もあるため、内容をしっかりと確認して検討してください。
大型免許
タンクローリー運転手の仕事は、業務に使う車両サイズに適した免許が求められます。
一般的なイメージのタンクローリーは大型に当たるため、当然ながら運転には大型免許が必要です。
入社後に大型免許取得をサポートしてくれる会社もありますが、逆に大型免許を必須としているケースも珍しくありません。
そのため、大型免許を取得しておくことが、選択できる求人の数を増やす効果に繋がります。
牽引免許
大型タンクローリーの中でトレーラータイプを運転する場合は、大型免許と別に牽引免許が必要になります。
牽引免許を応募の条件としている求人は多くないため、必須レベルの資格とまではいきません。
ただし、選択できる求人が増加するうえに、選考にも有利に働きます。受験の条件を満たせる状態なら、取得を検討してみるのもひとつの手でしょう。
危険物取扱者
ガソリン・灯油・軽油などは消防法の危険物に当たるため、運搬時には危険物取扱者の有資格者が必要になります。
したがって、危険物取扱者の資格もタンクローリー運転手への転職で有利に働く可能性が高いです。
危険物取扱者には甲種・乙種・丙種の3種があり、それぞれで取り扱い可能な危険物や取得難易度が変化します。
乙種
乙種は取り扱い可能な危険物により、第1種から第6種に分類されます。中でも第4類は引火性液体となっており、タンクローリー運転手への転職で有利となる可能性が高いです。
受験資格も必要なく、実際にタンクローリー運転手の多くが取得している資格となります。試験手数料は4,600円、受験申請は書面とインターネットの2通りで可能です。
甲種
乙種で分類されたすべての危険物を取り扱うことのできる、危険物取扱者における最高難易度の資格です。
受験するにはいくつかある条件のいずれかを満たす必要があり、「化学に関する学科を修めた大卒者」や「乙種取得で実務経験2年以上」といった項目が定められています。
未経験からだと取得は難しい印象です。
丙種
上記2つに比べて取得難易度は下がり、取り扱い可能な危険物が引火性液体の一部のみとなります。また乙種や甲種と違って、監督業務や無資格者の立ち合いはできません。
タンクローリー運転手においては丙種よりも乙種4類が歓迎される傾向なので、新たに取得する意味合いは少ないと言えるでしょう。
毒物劇物取扱責任者
タンクローリーの積載物が毒物・劇薬に当たる場合は、毒物劇物取扱責任者の資格が必要になります。
ドライバーが必ず取得しておかなければならない資格ではなく、所属する企業に有資格者が1名いれば問題ないです。
タンクローリー運転手として求められるケースは少ないのですが、取得しておくことで選考が有利になる可能性があるでしょう。
受験は都道府県ごとに行われており、それぞれで出題形式・難易度・合格基準が異なります。
高圧ガス移動監視者
高圧ガス移動監視者は、タンクローリーの運搬物が高圧ガスや液化ガスだった場合に必要となる資格です。
求人の幅を広げる効果があり、一部企業では年収アップに繋がるケースもあります。
講習を受けた後に試験を受ける形式となっており、かかる費用は13,200円です。国家資格ですが合格率は85%と高いので、前向きに検討したい資格と言えるでしょう。
未経験からタンクローリー運転手への転職を成功させる3つのポイント
未経験からタンクローリー運転手への転職を成功させるポイントについて解説します。押さえておくべき内容は以下の3点です。
- 大型免許は取得しておく
- 危険物取扱者や高圧ガス移動管理者の資格取得を検討する
- 求人を精査する
基本的ではありますが、すべて転職成功率に関係するものです。
大型免許は取得しておく
押さえるべきポイントとして真っ先に挙げたいのは、大型免許の取得でしょう。タンクローリー運転手の求人は、大型免許を必須としている内容も多いからです。
入社後に研修で取得をサポートしてくれるケースもありますが、そういった会社が大多数とは言えません。
理想の転職を成功させるには、選択肢の数も重要です。大型免許を取得しておき、選べる求人の数を増やしておきましょう。
危険物取扱者や高圧ガス移動管理者の資格取得を検討する
危険物取扱者や高圧ガス移動管理者の資格取得も、応募できる求人の幅を広げる効果があります。
これらの資格が必須でない求人でも選考時のアピールに繋がるため、取得自体は無駄になることがありません。
未経験者にとって、アピール材料の増加は大きなプラスとなり、転職成功を目指すなら積極的に検討すべきポイントと言えるでしょう。
資格手当が存在する企業なら年収アップにも繋がります。
求人を精査する
応募可能な求人の選択肢を増やし、それらを比較・検討することが満足度の高い転職に繋がります。
集めた求人をしっかり精査することも、理想とする転職を実現させるポイントです。転職サイトや転職エージェントを最大限利用してなるべく多くの求人を閲覧しましょう。
おすすめは入社後のサポートが充実している会社です。業務内容を理解して継続的に活躍できれば、短期間での年収アップにも期待できます。
未経験者を対象としたタンクローリー運転手の求人例
ここまで、転職を有利にする資格や成功のポイントについて解説してきました。
しかしながらこういった情報とは別に、未経験者を対象としたタンクローリー運転手の求人がどういったものか知りたいという方もいるのではないでしょうか。
ここではタンクローリー運転手の具体的な求人例として、以下の3つのケースを紹介します。
- 中型タンクローリーの運転手
- 大型タンクローリーの運転手
- ケミカルローリーの運転手
ケース1:中型タンクローリーの運転手
業務内容 |
建築土木現場や工場、イベント会場などで使う重機への給油 |
運搬回数 |
1日10~15件ほど |
給与 |
月給27.0~33.5万円(正社員) |
応募資格 |
普通免許(AT限定可)、45歳以下の方(長期キャリア形成のため) |
稼働時間 |
7:00~16:00(シフト制、運行スケジュールにより出社時間は変化) |
備考 |
日勤のみ、残業は1日1~3時間ほど、「中型免許」や「危険物取扱者(丙種又は乙4)」の資格取得支援制度あり |
ケース2:大型タンクローリーの運転手
業務内容 |
石油製品や高圧ガス、化学製品などの運搬 |
運搬回数 |
1日平均3件 |
給与 |
月給23万円以上(正社員) |
応募資格 |
大型自動車免許、危険物取扱者(乙4) |
稼働時間 |
実働8時間35分(内60分休憩含む) |
備考 |
時間帯は運行スケジュールによる、早出・夜勤・残業の場合あり、危険物取扱者は丙種もOK |
ケース3:ケミカルローリーの運転手
業務内容 |
化学薬品を積載し指定の工場まで配送・荷降ろし |
運搬回数 |
運搬回数:近郊であれば、1日約3往復 |
給与 |
月給38~50万円(正社員) |
応募資格 |
大型自動車免許 |
稼働時間 |
7:30~16:30(休憩1時間) |
備考 |
早出・残業有、残業月平均65時間、危険物資格(乙種)・けん引免許の所持者歓迎(無くても大丈夫です) |
未経験からタンクローリー運転手へ転職した体験談
以下で、実際に転職した体験談について紹介します。実例なので、ぜひ転職の際の参考にしてください。
未経験女性でも転職ができた
物流業界とはまったく関係のない職種からの応募でしたが、未経験にも関わらず採用していただきました。
当初は不安でいっぱいでしたが、研修が充実していたこともあって、今では問題なく運転できています。未経験から少しずつ運転できるようになっていく過程が楽しかったです。
力仕事を含む男性的なイメージもあると思いますが、未経験女性でもタンクローリー運転手への転職はできますよ。
転職をして家族との時間が増えた
前職は食品関係の仕事で1日の拘束時間が長く、子どもたちが起きている時間に帰れないような日もけっこうありました。
タンクローリーの運転手へ転職してからはそんなこともなく、晩御飯もみんなで食べることができます。休日も週2回取れることが多く、家族との時間は圧倒的に増えました。
もともとタンクローリーのような大型車両に憧れていたので、現在は先輩たちの指導を受けながら毎日楽しく仕事をしています。
セーフティオイルトランスポートのインタビュー動画
下記の動画は、セーフティオイルトランスポートの社員に対するインタビューです。
動画を見て詳しく知りたいと思った方は、概要欄に記載してある採用ページもチェックしてみてください。
タンクローリー運転手の基本的な業務内容
タンクローリー運転手の基本的な業務内容についておさらいしておきましょう。
タンクローリー運転手の仕事は、タンク内にガソリンや高圧ガスなどを積載して指定の場所へ搬入することです。
積み込み・運搬・荷下ろしといった基本的な流れは、一般のトラックドライバーと同様になります。
タンクローリー運転手は通常のトラックドライバーと比較して、以下のようなメリット・デメリットが存在します。
タンクローリー運転手のメリット
タンクローリー運転手のメリットとして最初に挙げられるのが給与面でしょう。
タンクローリー運転手は専門性が高いため、一般的なトラックドライバーと比べて年収が高くなる傾向です。
ケミカルローリーの運転手になると、600万円を超える企業も存在します。
ほかにも荷下ろしの負担が少ないこと、長距離輸送となるケースが少ないことなどもメリットと言えます。
運転時は基本的に1人となるため、ほとんどの場面で他者に気を遣う必要がない点も魅力です。
タンクローリー運転手のデメリット
タンクローリー運転手のデメリットと言えるのは、事故を起こした時の影響が大きい点です。
運転ミスはもちろんのこと、コンタミ事故(混油)の被害は多方面に及ぶ可能性があります。また、会社にもよりますが運搬物の種類により、出社時間が早朝になり、拘束時間が長くなってしまうこともタンクローリー運転手のデメリットです。
出社時間を選べる会社もあるため、会社選びを念入りにしましょう。
タンクローリー運転手の仕事がなくなる可能性について
最後にタンクローリー運転手の仕事がなくなる可能性について解説します。一般的に言われているのは、輸送が不要となる地球環境に配慮したエネルギーの開発です。
電気や自然エネルギーの使用が拡大していけば、ガソリンや石油の使用量が減っていき、タンクローリーの稼働も少なくなっていく可能性があります。
しかし、新しいエネルギーの開発は徐々に進んでいくもので、すぐさまタンクローリー運転手の仕事がなくなるわけではありません。
これらはあくまで可能性の話であり、2023年においても直近での心配は必要ないと言えるでしょう。
まとめ
タンクローリー運転手は未経験からでも転職可能です。物流業界におけるドライバーの人手不足や高齢化問題が、未経験者の採用を後押ししています。
転職を成功させるポイントは、求人の幅を広げる資格取得としっかりとした求人の精査です。年齢が40代よりも若ければ、転職成功率はさらに高まります。
特に入社後の研修や資格取得サポートが充実している企業ほど、未経験者でも採用される可能性に期待できるでしょう。
専門性の高いタンクローリー運転手ですが、理想の転職を実現させるためにも積極的にチャレンジしてみてください。
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