運送ドライバーの平均年収は?収入アップのコツや業界の動向も解説
「転職で運送ドライバーになろうと考えているが、リアルな年収が気になる」
「運送ドライバーとして、どのようにすれば年収アップに繋がるか」
このように思っている方も多いのではないでしょうか。
運送ドライバーは、物流の要として日本の経済や生活を支える重要な仕事です。運送業は体力が必要なものの、高収入という話もあります。
本記事では、車種ごとの異なる給与水準や年齢ごとの給与について解説します。また、高収入を得るコツや運送ドライバーに向いている人の特徴なども解説していくため、運送業界に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
運送ドライバーの平均年収
運送ドライバーの平均年収を4つの項目に分割して解説します。分割して平均所得を知ることで、運送業界の動向を把握できるでしょう。
車種によって平均年収が変動する
運送ドライバーの平均年収は、車種により変動します。
大型運送ドライバーや中小型運送ドライバーなど、車種ごとに給与水準が異なるところが特徴です。以下で車種別に解説します。
大型運送ドライバーの平均年収
厚生労働省の調査によると、大型運送ドライバーの平均年収は約477万円です。月収は約37万円で賞与は約38万円という水準でした。
令和4年度の日本の平均年収445万円と比べると、大型運送ドライバーの平均年収はやや高めです。
大型トラックとは、車両総重量が10トン以上のトラックを指し、扱うためには高度な運転技術と専用の免許が必要です。さらに、長時間の運転を求められる場合もあり、給与水準が高くなっていると考えられます。
中小型運送ドライバーの平均年収
厚生労働省の調査の結果では、中小型運送ドライバーの平均年収は約384万円となっており、大型車に比べると低い水準となります。
中小型運送ドライバーの主な仕事は、ルート配送や担当地域での荷物の出荷・配達などです。大型車に比べると扱いやすい車種で、荷物量も少ない傾向です。
短距離や中距離を担当し、拘束時間も短いため、女性や高齢なドライバーに向いているでしょう。
【男女別】運送ドライバーの平均年収
男女別の運送ドライバーの平均年収は、以下の通りです。
月収 |
賞与 |
|
男性 |
33万円 |
37万円 |
女性 |
27万円 |
30万円 |
(参照:全日本トラック協会)
男女別の平均月収を比較すると、年間を通して男性の方が48万円高いことがわかります。また、賞与を見ても男性の方が高いです。ただし、上記はあくまでも平均値であり、就業先により賃金は異なります。
男性の月収が高い理由は、男性ドライバーの比率が高い点です。女性は結婚や出産による退職・育休で休職する場合があるため、男性に比べると給与が低くなる傾向です。
【年齢別】運送ドライバーの平均年収
年代別の運送ドライバーの平均年収は、以下の通りです。
大型運送ドライバー |
中小型運送ドライバー |
国内平均年収 |
|
20代 |
424万円 |
329万円 |
327万円 |
30代 |
477万円 |
383万円 |
474万円 |
40代 |
499万円 |
422万円 |
528万円 |
50代 |
491万円 |
409万円 |
557万円 |
60代 |
406万円 |
301万円 |
404万円 |
どの世代も、大型車が中小型車よりも高収入です。さらに40代が収入のピークで、50代、60代と年齢が上がるにつれて徐々に収入が減少していることがわかります。
20代のドライバーは、国内平均年収を上回る収入を得られていますが、年齢が上がるにつれて国内平均年収の方が高くなります。
運送業界は、若年層から高収入が得られますが、その後の給与アップは緩やかな傾向です。
【経歴別】運送ドライバーの平均年収
未経験で正社員の運送ドライバーになった場合、月収が23〜30万円、年収に換算すると280〜360万円です。
運送業界は人手不足に悩まされているため、経験がなくとも採用されるケースは大いにありますが、入社直後の給与水準は低い傾向にあります。
一方で、運送業界経験者が転職した場合、年収が400〜600万円と、一般的な平均年収445万円を上回る高収入が期待できます。
ただし、未経験・経験者ともに、就職先の規模や拘束時間・従業員の年齢などにより、給与水準が異なることを把握しておきましょう。
大手運送会社5社の平均年収
運送会社 |
平均年収 |
A社 |
880万円 |
B社 |
770万円 |
C社 |
750万円 |
D社 |
740万円 |
E社 |
720万円 |
大手運送会社5社の平均年収は、上記の通りです。
前述した通り、大型運送ドライバーの平均年収は477万円、中小型運送ドライバーは426万円です。これらに比べると、どの大手企業も平均年収を上回っています。
規模が大きい企業や業績が良好な企業では、一般的な基本給や賞与よりも水準が高くなる傾向です。また、大手運送会社のなかには、従業員に対して手厚い待遇や福利厚生を提供しています。
トラック運転手やバスドライバーと年収を比較
以下の表は、運転する車種別に年収を比較しています。
車種 |
平均年収 |
大型トラック |
477万円 |
中小型トラック |
384万円 |
タンクローリー |
400~500万円 ※輸送物により変動 |
バス |
440万円 |
タクシー |
350万円 |
上記の表から、大型トラックの年収が極めて高いことがわかります。
タンクローリーは、輸送物により給与が変動し、ガソリンや石油を運搬する場合は年収450〜500万円、LPガスなら400〜450万円です。
一方で、運搬物が砂糖や小麦粉などの粉粒体運搬車ローリーの場合、年収400万円です。
運送業界で年収を比較すると、大型免許を保有している運転手の方が、中小型トラックドライバーやタクシードライバーよりも高収入が得られる傾向にあります。
運送ドライバーが高収入を得るためのコツ3選
運送ドライバーが高収入を得るためには、コツがあります。以下で3つのコツについて解説します。
さまざまな免許を取得する
運送ドライバーが高収入を得るためには、以下の免許を取得することをおすすめします。
- 危険物取扱者
- フォークリフト
- けん引免許
高圧ガスやガソリンなどを運搬できる「危険物取扱者」や、トレーラーのような大型車のドライバーになれる「けん引免許」を取得しておくと、年収アップが見込めます。
また、ドライバー自身で荷下ろし・積み込み・運搬などを行う機会が増えているため「フォークリフト」も役立つでしょう。
セーフティオイルトランスポート株式会社では「危険物取扱者」と「けん引免許」の取得を全額補助しています。資格取得の研修も行っており、充実した支援体制が魅力です。
長距離ドライバーになる
長距離ドライバーになることも、高収入が狙える手段のひとつです。夜間から早朝にかけての運転が多く、夜間手当や休日手当などが上乗せされるため、収入アップが期待できます。
そのため、高収入を狙うなら運転する距離により給与が変わる、長距離運転が可能な仕事を選ぶとよいでしょう。
ただし、拘束時間が長い点や、十分な睡眠時間がとれない点などがデメリットです。また、なかなか家に帰れず、一般的な会社員のような働き方はできないと理解しておく必要があります。
深夜や速達のシフトに入る
午後10時から午前5時の勤務には、深夜労働手当の25%が上乗せされます。そのため、深夜や速達の仕事を選ぶと、効率的に稼ぐことが可能です。
さらに、渋滞を回避できる点や、日中の時間を融通しやすい点もメリットでしょう。一方で、日勤の仕事に比べると疲労が溜まったり、生活リズムが昼夜逆転してしまったりする点がデメリットです。
ワークライフバランスを保てる企業であれば、日中に勤務でき、なおかつ生活リズムを乱さずに仕事に取り組めるでしょう。
運送ドライバーの仕事内容
運送ドライバーの主な仕事内容は、荷物を指定の場所に配送する仕事です。運送ドライバーの種類には、以下が挙げられます。
- 長距離ドライバー
- 短距離ドライバー
- 宅配ドライバー
- ルート配送ドライバー
長距離ドライバーは、大型トラックで都市間や地域間を走ります。一方、短距離ドライバーは中小型トラックで都市内や近郊を走行するのが特徴です。
宅配ドライバーは、小型トラックやバンで個人宅や企業など、細かな場所に荷物を配送します。ルート配送ドライバーは、コンビニの商品やスーパー・レストランの食品などを、決められた時間に配送する仕事です。
運送ドライバーに向いている人の特徴
運送ドライバーに向いている人の特徴は、主に5つあります。
自分が運送ドライバーに向いているか事前にチェックしておくと、自信をもって就職活動に臨めるでしょう。
運転が好き
運送ドライバーは、車両で荷物を運搬することが、主な仕事となるため、車や運転が好きな人に向いています。長距離の運転をする場合もあり、運転そのものが好きであれば退屈しないでしょう。
ただし、プライベートのように自由に好きな道を運転できる訳ではないため、運転を仕事にする覚悟が重要です。
体力に自信がある
運送ドライバーは、体力が必要不可欠です。重い荷物の積み込みや荷下ろし、長時間座りっぱなしで運転し続けるケースもあり、体力がないと長く続けるのは難しいでしょう。
また、体力がないと、疲労で事故を起こしてしまうことも考えられます。そのため、長時間の労働に耐えられる体力作りが、運送ドライバーには必須と言えます。
同じ作業が苦にならない
運送ドライバーは単純作業が多い仕事であるため、同じ作業の繰り返しを苦に感じてしまうと仕事を続けられません。
複雑な作業よりも繰り返しの作業が好きな人や、飽きずに丁寧に仕事をこなせる人が、運送ドライバーに向いているでしょう。
柔軟性がある
柔軟性も、運送ドライバーに必要な資質です。運送ドライバーは、預かった荷物の品質を保ったまま、確実に届けるのが義務です。
とはいえ、運搬の際に道路が渋滞していたり、通行止めになったりするケースもあるでしょう。
そのような場合でも、機転を利かせて、決められた場所や時間に遅れないよう柔軟に対応できる能力が必要です。
自己管理能力がある
運送ドライバーは、自分の体調やストレスなどを考慮して適切な休息を取ることや、リラックスする方法を取り入れる自己管理能力も求められます。
ひとりで仕事と向き合う時間がほとんどなため、イライラや疲労感も自分で解決しなければなりません。それらにうまく対処できる人は、運送ドライバーに向いているでしょう。
運送ドライバーに関するよくある質問と回答
運送ドライバーに関するよくある疑問を以下にまとめました。運送ドライバーについて、疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。
運送ドライバーの年収は年功序列?
運送ドライバーの年収は、年功序列のケースが多いです。前述した年代別の年収データでも、上の世代の方が給与水準は高い結果でした。
ただし、給与形態は勤務先により異なり、近年は成果主義を導入する企業も増加しています。そのため、能力があれば若手でも稼げるチャンスは大いにあるでしょう。
運送ドライバーに向いてない人はどんな人?
運送ドライバーに不向きな人は、主に3つの特徴が挙げられます。
- 短気な性格の人
- 単調作業が苦手な人
- 時間にルーズな人
運送ドライバーは、ひとりでの単純作業が多い仕事です。それらを苦痛に感じたり、イライラしたりすると、大きな事故につながる可能性があります。
また、運送ドライバーは時間管理も重要であるため、時間にルーズな人や、約束を守れない人も向いていないでしょう。
30~40代女性でも運送ドライバーとして活躍できる?
結論、30~40代の女性でも運送ドライバーとして活躍できます。
運送業界の女性の進出状況は2.5%にとどまり、全業種の43%に比べると少ない水準です。しかし、近頃は女性歓迎の企業も増加しており、軽貨物や軽車両であれば未経験からでも就労できるかもしれません。
また、女性が社長の企業なら、女性目線でスタッフへの配慮を行っている場合もあります。そのような企業では、女性でも安心して働きやすいでしょう。
運送ドライバーの仕事はきつい?やめとけと言われる理由は?
運送ドライバーの仕事は、決してラクとは言えないでしょう。理由としては、拘束時間が長い点や、運転時間が長ければ長いほど事故のリスクが上がる点が挙げられます。
その一方で、車内を好みの空間に変えたり、リフレッシュ方法を見つけたりして、デメリットとうまく向き合えれば、高収入を狙える職業です。一人での作業が苦痛でなければ、目指す価値があるでしょう。
運送ドライバーの年収は低くない!稼ぐコツと業界の動向を押さえよう
運送ドライバーの年収は、免許や資格、車種、年齢、経歴などにより大きく異なります。
一方で、スキルアップのために資格を取得したり、長距離運転手にチャレンジしたりすれば、安定した収入を得ることも可能です。
また、危険物取扱者やけん引免許を保有していると、タンクローリードライバーとして、良い給与を得られるでしょう。
セーフティオイルトランスポートでは、危険物取扱者やけん引免許の資格取得サポートをしているため、無料で資格を取得できます。
未経験や無資格な方でもバックアップ可能なため、お気軽にお問い合わせください。