女性トラック運転手の年収は?男性との違いやメリット・デメリットを紹介
トラック運転手という職業は、おもに男性が働いているイメージが強いですが、女性も活躍しています。
しかし、トラック運転手になろうと考えている女性のなかには「初めてでもできるの?」「どれくらいの収入があるのだろう?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、女性トラック運転手の給与と年収について解説します。また、女性がトラック運転手として働くメリットやデメリットも合わせて解説しています。
これからトラック運転手になりたいと考えている女性は、職場探しの参考にぜひ最後までご覧ください。
女性のトラック運転手の年収(給与)とは?
ここからは、女性トラック運転手の年収(給与)を次の3つの項目に分けて紹介します。
- 女性トラック運転手の給与形態
- 男女別トラック運転手の年収
- 勤続年数別
女性のトラック運転手の給与形態
女性のトラック運転手の給与形態は、企業により異なりますが、一般的に固定給と変動給の組み合わせが多くなっています。
毎月の固定給に、運搬した荷物の量や種類・運送距離などが加算されるため、月により給与額が変動するでしょう。
また、トラック運転手はボーナスが年2回支給される企業が一般的です。運送業績の評価ポイントは企業や契約により異なりますが、配送時間の遵守やトラブルの有無などで給与が変動する傾向にあります。
男女別トラック運転手の年収
年齢 |
給与 |
年間賞与他 |
年収 |
男女合計 |
約36.6万円 |
約28.6万円 |
約467.8万円 |
男性 |
約36.7万円 |
約38.0万円 |
約478.4万円 |
女性 |
約32.1万円 |
約23.2万円 |
約408.4万円 |
(参考:賃金構造基本統計調査|厚生労働省)
上記の表は、トラック運転手の男性と女性の年収と給与を比較したものです。なお、この表の年収は、給与額12カ月分と年間賞与から算出したものです。
賃金構造基本統計調査によると、トラック運転手の男女合わせた年収は約467.8万円です。
男性の年収は478.4万円、女性の年収は408.4万円となり、女性のトラック運転手は男性と比べて約70万円の差があります。
しかし、日本の女性の平均年収は約302万円であることから、女性のトラック運転手の年収は高めだといえるでしょう。
年齢別トラック運転手の年収
年齢 |
給与 |
年間賞与他 |
年収 |
20代 |
約22.3万円 |
約41.6万円 |
約30.2万円 |
30代 |
約24.4万円 |
約48.9万円 |
約341.7万円 |
40代 |
約25.2万円 |
約50.7万円 |
約353.1万円 |
50代 |
約24.9万円 |
約51.0万円 |
約349.8万円 |
60代 |
約19.7万円 |
約19.2万円 |
約255.6万円 |
上記の表は、女性のトラック運転手の年齢別年収(給与)です。
上記の表からわかるように、40代がボリュームゾーンとなっており、給与・ボーナスともに金額が高くなっています。
勤続年数別トラック運転手の年収
勤続年数 |
給与 |
年間賞与他 |
年収 |
1~2年 |
約21.1万円 |
約27.6万円 |
約280.8万円 |
3~4年 |
約22.1万円 |
約43.1万円 |
約302.3万円 |
5~9年 |
約23.4万円 |
約44.3万円 |
約325.1万円 |
10~14年 |
約25.1万円 |
約54.0万円 |
約355.2万円 |
15~19年 |
約26.4万円 |
約60.9万円 |
約377.7万円 |
20年以上 |
約28.1万円~ |
約64.4万円~ |
約401.6万円 |
上記の表は、女性トラック運転手の勤続年数ごとの年収を表しています。女性のトラック運転手の場合、勤続年数による給与の大きな変動はありません。
しかし、ボーナスは勤続年数1~2年の間は月収の1.3倍程度であるのに対して、勤続年数3年~4年になると一気に1.9倍まで上昇します。このことから、トラック運転手は月収よりもボーナスでの高収入が期待できるでしょう。
また、女性トラック運転手の平均勤続年数は9.2年となっており、長期間働ける業種といえます。
女性のトラック運転手の人数
「公益社団法人 全日本トラック協会」の日本のトラック輸送産業の概況によると、トラック運送業の就業者は、約199万人いるといわれています。
そのなかでも、男性は全体の約7割を占めており、女性は男性の3分の1程度しか就業していません。
国土交通省は、男性が多いトラック運送業界で女性に活躍してもらおうと「トラガール促進プロジェクト」を進めています。
トラガールの試み
「トラガール促進プロジェクト」は、トラック業界でも女性が活躍していることを、より多くの方に知ってもらい、女性でも働きやすい環境が整備されるよう、働きかけています。
たとえば、トラック運転手は「早朝から昼まで」「朝から夕方まで」という多様な働き方が可能です。そのため、家事と仕事を両立したい女性は働きやすい傾向にあります。
また、女性が働きやすいように女性用のトイレや更衣室といった物理的な整備も進められています。女性トラック運転手を対象に、免許取得のバックアップをしてくれる企業もあるため、資格取得やキャリアを積むことも可能です。
このような取り組みで、男性社会の色が強いトラック業界にも、女性が働きやすい環境が整いつつあります。
トラック運転手の男女の違い
ひと口にトラック運転手といっても、車種や勤務時間・運送距離などさまざまです。女性が活躍している業務には、どのようなものがあるのでしょうか。
以下で、女性がよく運転する車両の種類や勤務時間について解説します。
女性がよく運転する車両の種類
女性のトラックドライバーが運転する車両は、基本的に小型トラックや中型トラックが多いです。男女で体力や体格に差があるため、男性の方が大型トラックに乗る傾向にあります。
小型トラックは、短距離運搬でよく使用されており、荷物の積み下ろしが比較的少ないです。初めてトラック運転手として働く女性に適しています。
小型トラックである程度経験を積み、中型免許を取得すれば中型トラックを運転することも可能です。中型トラックは一般的に約4トン程度の積載量があり、100〜300kmの運搬に適しています。
勤務時間
トラック運転手の一日の拘束時間は、原則13時間以内となっています。また、休憩は4時間ごとに30分以上取ることが法律で定められています。
しかし、トラック運転手は早朝や夜間にも稼働しているため、不規則な働き方になるでしょう。
短距離輸送や荷物の積み下ろしが少ない業務では、短時間労働や定時の勤務形態を取っている企業もあります。また、女性の運転手でも働きやすいように、日勤のみの勤務や週休2日制の勤務体制を取っている運送会社も存在します。
女性がトラック運転手になるメリット
女性でもトラック運転手になるメリットは、以下の4点です。
- 40代からでも働ける
- 免許取得の補助が受けられる
- 高い年収が狙える
- きめ細かい対応ができる
40代からでも働ける
2022年全日本トラック協会の調査によると、女性トラック運転手の平均年齢は44.9歳となっています。さらに、車種の業種別による平均年齢は以下です。
車種別 |
女性平均年齢 |
けん引車 |
47歳 |
大型車 |
45.4歳 |
中型車 |
45.2歳 |
準中型 |
42.0歳 |
普通車 |
42.3歳 |
女性運転者平均年齢:44.9歳 |
(参考:2022 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(概要版抜粋)|公益社団法人 全日本トラック協会)
全体的に40代以上の方がトラック運転手として活躍されています。
トラック運転手には、一定の技能や知識が求められますが、年齢に直接関連しているわけではなく、経験を積むことでスキルや知識を身に付けられるでしょう。
またトラック運転手は、体力が必要な職業です。しかし、健康状態が良く、必要な知識や技能があれば、40代でも十分働けます。
免許取得の補助が受けられる
トラック運転手は未経験でも働きやすく、稼ぎたいと思えばキャリアアップすることも可能です。
トラガールの取り組みにより、働きながら免許を取得できる制度を取り入れている企業もあるため、仕事の幅の拡大や収入アップが可能になるでしょう。
高い年収が狙える
大型車の運転や、長距離運転ができるようになると、より多くの荷物を運搬が可能になるため高い年収が狙えます。
しかし、大型車を運転するにあたり、運転距離や積み下ろし作業の増加が予想されるため、健康や体力作りに気を付ける必要があります。
きめ細かい対応ができる
女性のトラック運転手は、男性と比べるとまだ人数が少ない現状です。しかし、配送先にとっては、女性運転手の対応に喜ばれています。
たとえば、配送先が女性一人暮らしの場合、男性よりも女性の方が安心して受け取れる、との声も聞かれます。
ほかにも、男性よりも荷物の扱いが丁寧であることや、あいさつが気持ちよく、コミュニケーションがしやすいところも喜ばれているポイントです。
女性がトラック運転手になるデメリット
女性がトラック運転手になるには、以下3つに気を付ける必要があります。
- 体力的な負担が大きい
- 仕事が不規則になりやすい
- トイレや更衣室が少ない
体力的な負担が大きい
トラック運転手は、荷物の積み下ろしや長時間の運転など、体力的な負担が大きい仕事です。そのため、腰痛を訴える方や年齢が上がるにつれて疲れが取れにくくなったという話も聞きます。
しかし、考えようによっては、トラック運転手は体力づくりの絶好のチャンスとも言えます。仕事中に体力づくりができると考えれば、荷物の積み下ろしもトレーニングとなるでしょう。
仕事が不規則になりやすい
トラック運転手の仕事は、長時間労働や不規則な勤務になる傾向があります。とくに、繁忙期は1日12時間以上の労働や深夜勤務が発生します。
また、配送先の事情により、配送予定が変更されれば、仕事が不規則になるケースもあるでしょう。
しかし、仕事が不規則になりがちなのは長距離ドライバーのみで、中距離・短距離ドライバーであれば、シフト制を導入している企業もあります。
不規則な仕事が苦手という方は、中距離・短距離ドライバーを選びましょう。
トイレや更衣室が少ない
女性のトラック運転手にとって、トイレや更衣室が少ないことがデメリットになります。企業により、男性中心の社風となっており、労働環境が整っていないことが原因です。
もし、女性専用のトイレや更衣室がなくてお困りの方は、女性優遇の企業を選びましょう。
たとえば、セーフティーオイルトランスポートは女性が社長なため、女性に配慮された社風が整っています。トイレや更衣室が男性と別なのはもちろん、シフト制を導入しているため主婦でも働きやすいでしょう。
トラック運転手に向いている女性とは
トラック運転手に向いている傾向にある女性は、以下の4点をお持ちの方です。
- 長距離運転も苦にならない
- 体力がある
- 自己管理能力がある
- 社交的
長距離の運転でも苦にならない
トラック運転手の仕事の多くは、長距離の運転です。片道数百キロも運転するため、一日中車に乗っていることもあります。
一人で過ごす時間や、自分のペースで仕事を進める機会も多いです。初めて運転する場所や運搬する場所ごとに変わる環境でも、運転を楽しめる方にトラック運転手は向いています。
体力がある
トラック運転手のおもな仕事は、長時間の運転や荷物の積み下ろし、配達先に荷物を届けることです。
長距離運転手の場合、一日中車に乗っており、同じ姿勢を保つ必要があります。そのため、背中や腰に負担を感じる方もいるでしょう。また、荷物の積み下ろし作業には、重い荷物も紛れているため、力や体力が必要です。
さらに、坂道や階段が多い配達先に重い荷物を運ぶこともあるため、トラック運転手は体力に自信がある方におすすめです。
自己管理能力がある
トラック運転手は、配送先の指定時間に届けなければいけないため、ルートの選択や渋滞状況などを適切に判断できる自己管理能力が必要です。
自己管理能力には時間管理だけではなく、健康管理も含まれます。トラック運転手は、長時間の運転や不規則な勤務をする場合もあるため、体調管理には注意を払いましょう。
自己管理能力は、経験により向上できます。トラック運転手を始めたばかりの方は、上司や先輩のアドバイスを参考にしながら、自己管理能力を身に付けておくと良いでしょう。
社交的
トラック運転手の仕事は単独業務である一方、多くの方とのコミュニケーションが求められます。
たとえば、配送先の受取人との対応や、ほかのトラック関連業者とのコミュニケーションなどです。また、職場内でもほかのスタッフと話す際も、社交的な性格の方なら仕事を円滑に進められるでしょう。
女性がトラック運転手になる際の注意点
女性がトラック運転手になる際は、注意点もあります。たとえば、荷物のなかには家電や家具といった、男性でもつらいと感じる荷物があります。
また、トラック運転手の7割は男性です。男性のなかには、気性の荒い方や女性と働くことを好まない方もいるため、女性に対して当たりが強く、ストレスを感じる場面もあるでしょう。
しかし、女性の多い企業を選ぶことで、待遇や労働環境が整っている可能性は高く、男性と一緒に働きやすいかもしれません。
小型トラックを扱っている企業を選択すれば、比較的軽い荷物を扱えるため、体力やライフスタイルに合わせられるでしょう。
女性トラック運転手のよくある疑問
女性トラック運転手に関する、よくある質問を紹介します。
女性トラック運転手が運ぶ荷物はなにが多い?
女性トラック運転手は、体力的に負担が少ない業務に当たることが多くなっています。具体的には、食品や日用品・下着類などです。
とくに下着類は、女性が配送した方が安心だ、という女性利用者もいらっしゃいます。ほかにも、引っ越しや大型荷物の配送など、家の中に入る作業は女性の方が多い傾向にあります。
女性トラック運転手におすすめの会社は?
前述したように、女性でも運びやすい荷物は、近距離配送や小型の荷物です。
また、結婚・子育て世代には、短時間労働や日中のみ働けるかなど、多様な働き方が可能な企業もおすすめです。
まとめ
運送業界は、男性社会であるのが現状です。しかし、近年トラック運送業界や行政の取り組みにより、女性トラック運転手の採用が積極的にされています。これらの取り組みにより、女性でも働きやすい労働環境が整いつつあります。
また、大型車を運転できるようになると日本の女性平均給与よりも良い給与を得られる可能性が高くなるでしょう。しかし、大型車の場合、長距離輸送がメインで不規則な生活になりかねません。
長距離輸送と不規則な生活は嫌だが、大型車を運転して給与を上げたいという女性は、「タンクローリー」の運転手に向いている可能性があります。タンクローリーであれば、力仕事もトラック運転手よりも少ないです。
セーフティーオイルトランスポートは、女性が社長なため女性が働きやすい環境が整っているのはもちろん、資格取得サポートもしております。これから大型免許を利用した車両で働きたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。